2007.03.12

昨日、祖母の見舞いに行った。ずいぶん前から施設にいるが、最近はずっとベッドに寝たきり。現在96歳。半身不随になったのがたしか25年くらい前で、その後リハビリで自力で歩くまでになった。強い人だ。それが3〜4日前に何をしても反応しなくなり、危ないかも、と言われたというので、従兄弟たちや叔父たちが見舞いに行った。体調が悪く、家も遠めな僕には連絡が控えられていたらしい。
部屋に入ると彼女は眠っていた。寝息も立てずに軽く枕の上にのっかっていた。あまりにも軽そうで中身がカラなんじゃないかと思えるくらいだった。とりあえずサイドテーブルに花を置き、寝顔をしばらく見て帰ろうかと思っていたら急に目を開けて首を回した。僕の顔が視界に入るようにベッドの上にのりだすと、祖母は明らかにこっちを見て笑う。僕のことがわかっているのかどうか確信はなかったが、それからは僕が顔を見せるたびに笑っていた。口を何度も動かすので耳を近づけたが何も聞き取れず。でも、何かを訴えようとしているとわかって彼女がまだ生きていると実感できた。
全てをなげうっても得たい幸せを目の前にしたかのような目。たしかに今の彼女にとっては、これ以上の幸福感はないのかも知れない。僕はこれが一番苦手だ。あんまり幸せそうな顔をされると帰れなくなってしまう。見舞いが帰ったあとの孤独感とはどんなものか。そう考えると見舞いに行くこと自体がいやになる。

あれ……?

文章が締められなくなりました。

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