2008.09.15

モディリアニを観に行った。展覧会のタイトルは「モディリアーニ展」だがどうも納得いかない。やっぱり「モディリアニ」だと思う。まいいや。ほんとは最終日になんか行きたくなかったが、都合がつかなかったんでしょうがない。

これは素晴らしかった。どれほどビッグネームでも、またどんな名画でも、作品の数が少ないとそれだけでは展覧会のはならんので、結局、たいていの展覧会では、空いた壁を埋めるために持ってこられたみたいな、どうでもいいような作品がごろごろあってストレスになったりするが、今回は全体のレベルが非常に高くて、限りある人生の時間を有意義に費やしたという気がした。大げさなようだが本気だよ。そのなかにぽつぽつと高い頻度で目を見張るような作品が混じってる。なんというか、僕はこういう作品を残した才能というか人物が、過去であってもこの世に存在したというだけで満足で、それはつまるところ、人間も捨てたもんじゃないという考えに行き着く。僕にとっては芸術だけが、人類の価値を目に見える形にしてくれる唯一のもので、それ以外はほぼ取るに足らない。

ただ、同時にそこで開催されてた展覧会はちょっとね。観た人ならわかると思うけど、靴の持つ価値や意味はそれを履いた人のなかに存在するもので、それはこの作品の作者が紡ぎだしたものじゃない。少なくともそこには僕の求めてるモノはないし、なんだか虚しい。今はこういうものが多いね。昔からか。美術館に展示してるから、とか、美術館が認めたから、だからそれは価値がある、それは素晴らしいのだ、というのはまさしく幻想で、自分のモノサシをちゃんと確立しておかないと簡単にだまされちゃう。本当の価値というのは、時代が変わっても世の中が変わっても揺らがないものだ。

それにしても今日が休日だなんて昨日の晩まで知らなかった。敬老の日らしきことを、わずかながらしたけどね。

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