2007.01.24

今日は歩きながら「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」という文庫を読み終えた。昨日、箕面のブックオフで衝動買いしたものだ。税込み105円ですがね。

いやいや非常に勉強になって「ありがとうございました」と素直に言いたい。そういう気分。ただ僕のことなので、読んだ順に忘れていく。それが嫌なので、今回めずらしくボールペンで、重要な部分に赤い線を引きながら読んだ。なんで今までそうしなかったのかと思うね。本を汚したくなかったんやけどさ。これほど効果的な読み方ってないと思った。そういえば高校時代に読んだ「読み方、書き方」みたいな本に、黄色いダーマトグラフで線を引くと目立つのに目が疲れない、と書いてあって、新書を読むときにはそうしてた。今、思いだしたわ。またやってみるか。

で、この「井上ひさし〜作文教室」の中に、読書感想文に関する井上ひさしの発言が記録されている。
以下引用。

 それから、特に読書感想文が問題ですね。これは本当に子供にとっては地獄の責め苦だと思います。
 おもしろい本を、ある意味では無責任にどんどん読めばいいのです。それなのに、読んだあとに感想を書きなさいと要求する。
 (略)
 ですから、大人が子どもにまちがったことを要求しているのです。子どもは、どんどん嫌いになります。

あんまり引用が長いのも何なので、これくらいで。井上ひさしは、要するにこういった無理難題を子どもに押し付け、必要なことを教えないために、日本人の国語力がどんどん落ちていくのだと言っている。感想だの心の中だの気持ちだのを書けと言われても、そんなこと大人でも難しいと。じゃあ、必要なのは何かと言えば、それは、目の前にあるものを、観察、要約、報告すること。目に見えているものを文章にすることだと。たしかにそれは絵の初心者にデッサンをさせるのに似てる。いきなり抽象画を描く人間などそういるものではない。

中学時代、どうしても読書感想文という宿題に納得ができず、夏休みが終わったとき形だけの読書感想文と合わせて「抗議文」を先生に提出した経験のある僕としては、うなずくのみの話しだった。ただ、当時の僕はそれをうまく説明できなくて、かなりモヤモヤしていた記憶がある。
すっきりしたあ。

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