ぶどうを観察しよう
(2014年8月実施)
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 観察課題のモチーフを探していましたが、いいものをみつけました。ぶどうといえば紫か黄緑と思いがちですが実はそんなことはありません。今回選んだ「巨峰」はほんとうによく観察することでしか把握出来ない色をしています。もちろんそのまま塗ってちょうどいい絵の具があるわけもありません。これを子供たちはどう解釈し、どう立ち向かうかを見せてもらいました。
 ぶどうの実は微妙な色調に加えて、明るい部分、暗い部分、上の実の影が映っている部分、照明を反射して白く光る部分、白っぽい粉がふいたような部分、茶色くなった部分など、ひとつのつぶの中にも表情にさまざまな変化や特徴があり、それらの表現に挑戦してこそ観察。また、器は何も言わなければ「白」であると勝手に決めつけがちですが、画用紙の白とは明らかに違うし、器の中にも明るい部分、暗い部分などいろんな調子があることに気付くはず。そんなことをしつこく説明した上で制作を開始しました。
 見ていただけば一目瞭然ですが、慎重に混色して本物に近い色を出そうと試行錯誤したこと、ぶどうのつぶのひとつひとつに丁寧に取り組んだことが如実に見て取れます。アトリエ・トロッポの子供たちがとくに優秀なのかはわかりませんが、いつも期待を裏切らずさらにその上を行ってくれるのには驚きます。