2009.06.23

ビート・インのライブの翌朝、祖母が98で死んだ。そのうち27年は障害者として過ごし、ここ数年は寝たきりで、食べることも話すことも出来ず、彼女には生きることがもはや苦しいだけになっているのではないかと、そんなことばかりを考えていたので「亡くなった」と電話で聞いて「あっ」と思った。ついに、というか、とうとう、というか、僕は内心安堵したのだ。彼女が元気だった頃、すでにかなり老いていた曾祖母が薬を飲みすぎたのを、強烈に叱りつけていたことを時々思う。僕らもかなり叱られたが、そんな面影も27年以上前のことだ。実家に着いた時にはすでに夜で、叔父さんたちや弟などは帰っており、祖母は奥の部屋に寝かされて、枕元で線香を焚かれていた。ベッドに寝たまま過ごした頃よりいくぶん健康そうに見えるのは葬儀屋の仕業だと思う。今日の通夜では従姉妹たちと再会し、明日は葬儀。喪主は100歳の祖父。別れの儀式は、過ぎた時が戻らないことを思い知らせるかのように大仰だ。

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