2011.7.6

デンマークの夏の日は長い。というより、言ってしまうとピーク時は夜がない。悪天で空が雲に覆われていると昼でも暗いが、晴れていれば、真夜中にはある程度暗くはなるが、真っ暗にはならずにまた明るくなって来る。
少し前に夏至を迎えて、それが少し引き戻した感じ。これからまた暗い日に向かっていくのだと思うと、デンマークの人たちの気持ちも一緒に冷えていくのかも知れない。ここに文字で書いている分には変化が大きくて面白そう、というくらいに思えるかも知れないが、あきらかに自然というか宇宙の原理に翻弄されている。
ただ、デンマークの人たちにはそれを跳ね返す力が備わっていることに、僕は気づいたよ。
彼らはいつもおだやかで、にこやかで、知らないもの同士でも気軽に挨拶を交わし、頼みもしないのに、どうかしたか?と声をかけてくれる。
自国を愛し、何かあるごとに国旗を揚げる。みんなで同じ国旗を揚げるということは、また、みんなで皇太子のベビー誕生を祝うということは、連帯として繋がっているということだ。
良い歴史を作ろうとするでもなく、ただただ自国民や自国の過去を非難したり卑下したりするばかりの多くの日本人には見習ってもらいたいことがいっぱいある。

僕はドラムを演奏することでお金をもらうということをしながら、実はドラムの練習をしたことがなかった。全く。これは信じてもらえないことが多いので(僕はいつも本心を言ってるのに信じてもらえないことが多い)あまり大きな声で言うのはやめていたが、それでも本当だからしょうがない。信じられない人は、想像力に限界があるのだとあきらめてる。僕にはこれまで、苦労して勝ち得たものなどひとつもない。ドラムも長くやってるから、いつのまにか誤魔化せる程度には出来るようになっただけ。その程度の人間。ま、ドラマーになりたいなんて一度たりとも思ったことなかったしね。
しかしそんな僕にも、この一年間のブランクはかなり大きい気がする。最近はステージの頻度も少なくなって、体調管理もままならなくなって来ていたところなので、このまま帰国。即復帰はまずいかも。すでに帰国の数日後にはステージが決定してしまったし。

というわけで、この期に及んで欲を出した。この生涯に一度もやったことのない練習を始めることに。しかし、やったことがないので方法がわからない。とりあえずネットであれこれ調べて、効率の良さそうな練習法を見つけ、ドラムショップで練習用パッドとスティックを買って来た。メトロノームはiPhoneアプリがあるからね。いやいや辛気くさいし退屈なもんだ。ほんと、世のドラマーたちはみんなこんなことを一生懸命やってるんだね。えらいわ。とりあえず帰国まで続けたら、以前より身体が動くようになるんじゃないかな。だって練習してるんだもん。自分で自分を褒めてやりたい、とか言ってみたいもんだ。

僕がいままでなぜ練習をしなかったのか。そりゃ理由はある。今となっては、それが正しかったのか、やはり素人考えだったのか、わかんないけどとにかくそれが僕の信念だった。
でももういいかなと思う。この年になったから出来る方向転換というのもあるかも。いや、それほど大きなことではない。ただ今より良くするにはどうしたらいいかなと考えただけ。お楽しみはこれからだ、というか、まだまだだ。

と、ここまで書いて、やっぱり続けられなかった、とか言ったらダメだよね。

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